今回は、タイ・パタヤの病院で海外旅行保険を使ってキャッシュレス診療を実際に受けた時の流れを紹介します。
つまるところ保険会社に電話して病院に行くだけですが、実際に体験してみて少しつまづいたところや迷ったところなどについても触れながら解説していきたいと思います。
この記事の概要
はじめに
先日、タイ旅行中に海外旅行保険を使って現地の病院でキャッシュレス診療を受けるという経験をしました。
症状についての詳細は伏せますがちょっとした怪我です。我慢できないほどひどいものではありませんでしたがあまり経験したことのないような痛みがありました。最初は数日様子を見て判断しようと思いましたが、その日のうちに症状がひどくなりこのまま放置して悪化させてもよくないと思い病院に行く決心をしました。
帰国するまで我慢できるようなものではなかったので病院に行かないという選択肢はありませんでした。
幸い、出発前に保険に加入していたため治療費などのことは気にせずに病院に行くことができました。
以下では、その時の実際の流れを振り返って海外旅行保険を使って病院で治療を受ける流れ・手順・注意点などを解説していきます。
タイ・パタヤでの体験になりますが、やることは同じなのでそれ以外の国・地域で保険を使おうと思っている人にも参考になるかと思います。
保険会社サポートセンターに電話
まずは、保険会社のサポートセンターに電話します。そこで聞かれることは、
・症状(いつからどんな症状か?これまでにその症状はあったか?)
などです。
一通り状況を説明すると、30分から1時間後に折り返し連絡すると言われました。
そして、30分後くらいに病院の手配が完了したという連絡をもらいました。
滞在場所の近くにある提携している病院を紹介してくれます。バンコクの場合は、提携病院が複数あることもあるので希望があれば伝えておけば通るかもしれません。この時はパタヤに滞在中でしたので、バンコクホスピタル・パタヤの一択でした。
手配してもらった病院への行き方や病院に着いたらまず○○に行ってくださいなど丁寧に案内してくれます。
そのときに、交通費も請求できるので領収書の発行が難しい場合はメモ程度のものでもいいので残しておくようにと言われました。
意外に思われるかもしれませんが、今回の一連の手続きのなかで、最も苦労したのがサポートセンターに連絡するための電話を確保することでした。というのも、現地で使えるスマホが手元になくかつホテルの固定電話も使えないという状況だったためです。下記記事でその時の体験をまとめています。
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以下、病院での手続きの流れを紹介していきたいと思いますが、やりとりはすべてパタヤの病院でのものになります。
病院に行く
病院に持っていく必要があるものは以下のものです。
・保険の契約確認書(契約時にメールで送られてくるpdfファイルを印刷したもの)
保険の契約確認書は、証券番号や保険期間、保証項目、保険金額などが記されたものです。
こららを持参してタクシーなどで病院に向かいましょう。
バンコクホスピタル・パタヤへは、パタヤの中心部からタクシーで300Bでした。セントラルフェスティバル前にたくさん停まっているタクシーの運転手の何人かに聞いてみましたがみな300Bと言われ料金は下がりませんでした。
総合受付で手続き
病院に着いたらまずは、総合受付で、保険の契約書とパスポートを提示して、海外旅行保険を使って診察を受けたいという旨を伝えます。
タイで、保険会社と提携している大きな病院ならばどこも英語は通じます。日本語通訳がいる病院ならば通訳を呼んでもらってもいいと思います。
最初に、名前や症状などを記入する用紙を渡されるので必要事項を埋めて提出します。
バンコクホスピタル・パタヤの場合は正面入り口を入った突き当りに総合受付があります。また正面入り口入って右側にあるエスカレーターを上がった突き当りに外国人用の窓口があります。外国人用の窓口に行くように言われましがたそこに行くと総合受付に行くようにと言われたので直接総合受付に行けば問題なさそうです。
案内された受診科に行き診察を受ける
総合受付で症状に合わせて診察を受ける課を案内されるのでそこへ行きます。
医師の診察を受ける際は、タイ語のできる日本人通訳や日本語のできるタイ人通訳が一緒についてくれます。
病院内では英語が通じると思いますが、医師の診察の時だけはちゃんと通訳についてもらったほうがいいです。症状を正確に伝えたりするのは難しいでしょうからね。
再診がある場合は、予約日を決めて以下のような予約表(APPOINTMENT SLIP)をもらいます。
会計・薬の処方
最後は、会計と薬の処方です。
以下の写真のようなキューナンバーを取って順番を待ちます。
自分の番号が呼ばれた窓口へ行き診察代や薬代の料金を支払います。
キャッシュレスでお金を払わなくてもよい場合もこの会計の手続きは必要です。
バンコクホスピタル・パタヤでは、診察を終えるとスタッフが会計窓口まで一緒に付き添ってくれキューナンバーを取るところまで全部やってくれましたのでただついていくだけでいいです。
処方された薬は日本語表記での説明もありました。
会計を済ませて薬をもらったら終わりです。
バンコクホスピタル・パタヤから市内に帰る際は、正面入り口を出て左手に固定料金制のタクシースタンドがあります。
再診がある場合
再診がある場合も病院に行く前に保険会社のサポートセンターには連絡しておいたほうがよいです。そのほうが保険会社から病院に連絡が行きキャッシュレスの適用や通訳の手配などがスムーズに行われるのではないかと思われます。
再診で2回目のときに、連絡なしで直接病院に行ったのですが、うまく処理が回っていなかったためかキャッシュレス受診ができず現金で支払うことになったことがありました。そこで、3回目以降はすべて事前連絡しておいたためすべてキャッシュレスで受診できました。
行く病院などはすでに決まっているので予約日時などを伝えてサポートセンターから病院に確認の連絡を入れておいてもらうように依頼する感じです。
再診の場合も、病院に行ったらまずは総合受付で手続きをします。契約書とパスポートに加えて予約表も一緒に提出しましょう。診察から会計・薬の処方までの流れは初回と同じです。
帰国後の手続き
帰国後、自宅宛てに保険会社から郵送で保険金請求書が送られてきていました。
病院での治療費は、すべてキャッシュレスで済ませていたら請求する必要はありませんが、交通費などは別途請求が必要です。
病院でもらった領収書や診断書などとホテルで発行してもらったタクシーの領収書などを添付して送付しました。特に問い合わせなどはなく数日後に保険金は振り込まれていました。
おわりに
タイで病院に行くこと自体は、初めてではなかったため、不安になることはありませんでしたが、今回改めて思ったのは、日本に比べ海外の医療費は高額だということです。
もちろんタイも例外ではありません。
今回は、軽傷の部類だと思いますが、それでもけっこうな費用がかかっているので、保険が使えなかったらと思うとゾッとします。
今回使用した保険は、保険会社に保険料を払って加入した海外旅行保険になります。いわゆる証券タイプのものです。
「海外旅行保険の加入は必要?」「クレジットカード付帯の保険じゃダメなの?」と思う人もいるかもしれません。
クレジットカード付帯の海外旅行保険は、事前に適用条件や補償内容などを事前によく確認しておく必要があります。自動付帯と利用付帯か、キャッシュレス診療が可能かどうかや、補償内容や補償額などですね。
補償額については特に注意が必要で、クレジットカード付帯のものだと治療費は、200~300万円程度の場合がほとんどです。
結果的には今回かかった治療費はこの範囲内に十分収まるものでしたが、正直、この程度の金額だと現地で手術や入院をしたら全然足りないと思います。
保険会社で加入する保険であれば、一番安いタイプでも1,000万円、掛け金を上げれば無制限となったりします。
海外旅行保険は、インターネットで直前や当日でも加入でき、短期旅行であれば、保険料も数千円で済むことです。
保険に入る入らないはそれぞれの判断だと思いますが、個人的には入っておいたほうが安心だと思います。